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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

君は一体何組??


今月は、ブログ開設時の原点に戻って、
想定読者は、虫好きの高校生!!!


私のお気に入りの撮影場所で見つけた、
ちょっとだけ不思議な虫たちを紹介します。

 

何組だか、すぐに分かりますか?

 


⇒ページ最後に、まとめて正解を載せましたが、
 もし、軽く全問正解したら、あなたは、
 かなりの虫マニアです。

 

 


写真① ??

2011年7月27日 だんぶり池・青森

このブログの写真撮影場所として、
最も頻繁に出てくる「だんぶり池」は、
弘前市の自宅から、車で10数分のところにある。

だんぶりとは、津軽弁でトンボのことを言う。

 

 

 


写真② ??

2011年5月27日 白岩森林公園・青森

撮影場所は、上の「だんぶり池」に次ぐ頻度で、
出てくるのが、白岩森林公園である。

ただ、実際に私がフィールドにしているのは、
中心部分からかなり外れた「林道」で、
そこは、一般的な森林公園とはイメージが違うと思う。

 

 

 

写真③ ??

2013年6月21日 矢立峠・秋田

国道7号線の秋田・青森県境にあるのが矢立峠だ。

そこにある道の駅のトイレの常夜灯は、非常に明るく、
このブログでも、再三出てくるお気に入りの撮影場所だ。

ただ、道の駅の所在地が、何と秋田県側にあるのだ。

だから撮影場所の記録としては、
個人的に非常に残念なことなのだが、
青森県側から誘引されてきた虫たちもいるのに、
有無を言わさず「矢立峠・秋田」となってしまうのだ。

 

 

 

写真④ ??

2011年8月23日 酸ヶ湯温泉・青森

撮影場所は、知名度の高い酸ヶ湯温泉としているが、
実際には、温泉宿から数km黒石側にある城ヶ倉大橋だ。

このトイレの常夜灯は、虫が集まる場所として有名である。

 

 

 

写真⑤ ??

2014年6月3日 白布峠・山形

撮影場所の白布峠は、福島県と山形県を分ける峠で、
裏磐梯側は、景色(桧原湖と磐梯山)が素晴らしく、
米沢側は、数か所の林道を入ると素晴らしい(虫がリッチ?)。

弘前に住むようになってからは、最低年1回は通る峠だ。

 

 


・・・回答・・・

(以下を読もうとする方は、この時点で、間違いなく虫マニアです)

 

 

①多分キタクダトビケラ(クダトビケラ科)

 ⇒見た目以上に真っ白な触角が、珍しいかも・・・

 

②クロセンブリ(センブリ科)

 ⇒漢方薬のセンブリ(植物)と同じ名前だが、
  この子は、食べても苦くない!!
  


③アオバシャチホコ(シャチホコガ科)

 ⇒この角度から見るとクモのように見える。
  足の先まで、全身に生える青白い毛も、
  ちょっとだけ不気味だ?!

 

④スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)

 ⇒オレンジ色の頭部と真っ黒な複眼が特徴的で、
  その名のとおり、幅広い半透明の翅を持つ。

 

⑤スカシシリアゲモドキ(シリアゲムシ科)

 ⇒このイメージの近似種はいないので同定は楽だが、
  雌には、3種類の多型が知られており、
  それぞれが、まるで別種のように見える(矛盾?)。




     

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虫の名前って、??


ブログを始めて、早くも4年4ヶ月が経過した。

当初は、ちょっとだけ不思議な昆虫だけを、
記事の対象(内容)とするつもりだったが、
捕食者として、クモやカエル、野鳥類も、
さりげなく加わってきた。

さらに、その他の動物や植物、風景や建造物も対象になり、
いつのまにか、何でもありの状態になってしまった。

⇒ただ、虫関係の記事が90%以上だと思う。

 

また、ブログ開設当初の想定読者は、
虫好きの高校生のつもりだったが、
それも、多分どこかへ行ってしまった。


しかし、これまで写真に撮れたカメムシの種類は、
当初の予定どおり、余すことなく紹介してきた。

また、個人的に興味のある擬態関係の話題についても、
写真が取れ次第、ダブリも構わず、記事にしてきた。

 

 

・・・という、いらない前振りの後・・・

 

 

今月は、ブログ開設時の原点に戻って、
想定読者は、虫好きの高校生!!!

 

 


誰でも知っているモンシロチョウだが、
名前が多少ややこしい。

 


モンシロチョウ(シロチョウ科)

2003年8月10日 弘前市・青森

普通に考えれば、紋が白いチョウということになる?

ところが、写真のように、紋は白ではなく、黒っぽい。

だから正式には、(黒色の)紋があるシロチョウなのだ。

 

 

 


モンキチョウ(シロチョウ科)

2013年9月11日 酸ヶ湯温泉・青森

当然こちらは、紋が黄色のチョウではなく、
同じように、(黒色や白色の)紋があるキチョウだ。

 

 

 


ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科)

2013年6月12日 道の駅風穴の里・長野

白い大きな紋があるシロチョウもいる。

もちろん名前は、モンシロ・チョウではなく、
この子は、ウスバシロチョウ・・・


ただし、シロチョウではなくアゲハの仲間だ。

だから、正式には、薄羽白・蝶なのだろう。

 

 


ついでに、カメムシも・・・

 

 

アカスジカメムシ(カメムシ科)

2010年6月14日 だんぶり池・青森

これは、有名な話なのだが、
上の子は、本当にアカスジカメムシなのか、
もしかしたら、クロスジカメムシではないのか?


一つだけハッキリ言えるのは、
上の個体の大きな小盾板の外側に注目すると、
明らかに、黒地に赤い点があるように見える。

だから、アカスジで良いのか? 


逆に、下の個体のお腹側を見ると、
赤地に黒い点があるようにも見える。

????


この子は、いつまでも謎のままで、置いておこう。

 

 


最後に・・・

 

 


クロジュウジホシカメムシ(ホシカメムシ科)

2003年4月7日 石垣島・沖縄

この子は、どう見ても白い十字しかない!!!

何故、シロジュウジホシカメムシではないのか、
かなり(!)不思議である。


実は、同じ南西諸島には、数は少ないが、
頭部が赤い非常に良く似た種がいて、
こちらが元祖シロジュウジホシカメムシである。


だから、ネット上でも誤同定が見受けられるほど、
紛らわしい頭部が黒いクロジュウジホシカメムシなのだ

 

 

 

     

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玉川ダムのナミテントウ(2014)


晩秋のダムサイトには、カメムシ以外にも、
成虫越冬する虫たちが、さりげなく集まってくる。
⇒(正確には、越冬場所を探す途中に、暖かい場所に立ち寄る?)

そんなダムサイトの虫たちの中で、カメムシ類に次いで、
沢山見られるのは、テントウムシの仲間だ。

中でも、ナミテントウは、比較的個体数が多いようだ。

 

もちろん、ナミテントウは、色々と不思議な虫である。


アケビコノハ(成虫・幼虫)が擬態の帝王なら、
ナミテントウは、色彩変異の帝王だ(?)・・・⇒個人的な感想!


今回の玉川ダムでは、大別すると4種類の基本の斑紋型のうち、
3種類(4タイプ)が、同時に見つかったのだ。

 

 

ナミテントウ4紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

黒字に赤い斑紋を左右に2個ずつ持つ4紋型。

写真のような赤色と黒色からなる斑紋は、
このブログで、何度も紹介したように、
かなり良く目立つ警戒色(警告色)の典型だろう。

緑色の葉っぱの上にいれば、なおさらのことだ。

 

 


ナミテントウ2紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

黒地に赤い斑紋を、左右に1個ずつ持つ2紋型。

ただ、イメージは、最初の4紋型とあまり変わらない。


野外でも、交尾カップルを、しばしば見かけるが、
ナミテントウは、異なる斑紋のものが、普通に交尾している。

だから、視覚的には仲間を見分けていないようだ。

 

 

 

ナミテントウ紅型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

赤地に黒い斑紋を多数持つ紅型。

ナミテントウの基本的な体色(元の前翅の色)は、
赤色科黒色、一体どっちなのだろうか?

いずれにしても、赤か黒の地色に、それぞれ逆の、
黒色か赤色の斑紋(模様?)があるのが普通だ【注1】


考えてみれば、前翅の地色が、赤色か黒色かでは、
まるで正反対のような気がするのだが、
何故、こんなに手の込んだことをするのだろうか?

 

 

 

ナミテントウ無紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

こちらは、赤地に無紋の紅型の変形。

よりによって、斑紋がないものもいるとは!!

さすが、色彩変異の帝王の名に恥じない。


このダムでは、どのタイプが多かったのか?

もちろん、数値を出すほどの観察はしていないのだが、
紅型とは真逆の黒地に赤い斑紋を多数持つ斑型は、
少なくとも今回は、見つからなかった。

というか、ここ数年間で、玉川ダムでは、
斑型は、一度も見ていないような気がする。

 


このブログでも、何度か紹介したが、
テントウムシは外敵に襲われると、足の付け根付近から、
匂いの強い赤い液体を出すことが知られている。

この汁は、鳥が食べると不快な味がするようで、
この斑紋パターンを覚えた(学習した)鳥は、
2度とテントウムシを捕獲しようとはしない。


・・・・・ん!?


では、一体何故、ナミテントウは、
4種類もの斑紋を持つようになったのだろうか?

野鳥類に、不味い味と色彩の関連を覚えさせるには、
斑紋パターンは1種類しかない方が、
どう考えても効率的はずだ【注2】

 

ところで、このブログでも昔紹介したことがある、
マルウンカという類縁関係のないカメムシ目の虫がいる。

この子は、テントウムシに擬態しているのだが、
モデルとなったのは、あまり見かけないシロホシテントウのようだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130705/1/


どうせなら、もっと普通種をモデルとした方が、
良さそうな気がする・・・??

・・・ということは、おそらく、
テントウムシのような(?)半球状の姿かたちであれば、
色や模様は、多少のバラツキがあっても、
野鳥類などの外敵は、みんな同じテントウムシの仲間として、
学習するのかもしれない。


さすが、ちょっとだけ不思議な昆虫の世界である。

 


【注1】ナミテントウの斑紋パターンは、
    単一遺伝子座の複対立遺伝子により支配され、
    その組み合わせによって決定されることが
    すでに明らかにされている。

    しかも、対立遺伝子構成は極めて多様性に富み、
    微妙に異なる200以上の斑紋型が存在するようだ。


【注2】良く知られているように、毒を持たない虫が、
    有毒の虫に似せるベイツ型擬態の場合には、
    目立つ効果が同じならば、いろいろなタイプがあった方が、
    捕食者に学習されなくてよいという考え方がある。

    もしかしたら、ナミテントウはそれほど不味くない?

 

 

   

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光に誘引されたカミキリ②


MMT中に車中泊して、付近の常夜灯を見まわると、
カブトムシやクワガタと一緒に、カミキリも見つかる。

前回に続いて、光に誘引されてきたカミキリ類を紹介したい。

 

 

キタセスジヒメハナカミキリ(カミキリムシ科)

2014年6月5日 矢立峠・秋田

かなり小さいが、よく見ると微妙に綺麗なハナカミキリ。

昔は、Pidonia amentata kurosawai の学名で、
本州北部・北海道亜種とされていたが、
最近(2010年)、Pidonia kurosawai として、
種に昇格(?)したようだ。

いずれにしても、ピドニアは良く見かけるが、
写真だけでは、分類できない!

 

 


多分サビカミキリ(カミキリムシ科)

2014年7月22日 道の駅白沢・群馬

種名の”多分”は、さりげなく写真が不鮮明なので・・・・

左側の多分カメムシも、かなり気になる存在!!!

 

 

 

ノコギリカミキリ(カミキリムシ科)

2014年8月4日 矢立峠・秋田

触角の形状が、まるで鋸の刃のようにギザギザ!!

カミキリらしくない、がっしりした体型で迫力満点だ。

近縁種にニセノコギリカミキリという種がいるが、
あまり多くないようなので、上の子はニセモノではなさそう?

 

 

 

スジマダラモモブトカミキリ(カミキリムシ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

長い白黒のまだら模様の触角が見事だ。

ただ、体の色と模様は、典型的な保護色なので、
この子が、まばらに白い苔が生えているような樹皮に、
さりげなく静止していたら、誰も見つけられないだろう。

 

 

 

ゴマダラモモブトカミキリ(カミキリムシ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

この子も、前種同様に、モモ(腿)の部分が膨らんでいる。

ネット情報では、近似種が複数いるようだが、
上翅後半部の黒色帯(斑紋?)が違うようだ。

 


・・・以上、予想外に少なかった「光に誘引された10種」のカミキリでした。

 

     

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光に誘引されたカミキリ①

ずいぶん昔であるが、ビーティング採集をしてた頃は、
比較的珍しいカミキリも落ちてきた記憶がある。

でも最近は、歩きながら虫を見つけて、写真を撮るだけなので、
自然状態のカミキリに出会うことは、ほとんど出来なくなった。


ところが、明け方に常夜灯を見まわるようになって、
蛾以外にも、普段見ることのできない虫たちに、
さりげなく出会うことが出来るようになった。

⇒ただ、全く自然状態のものではないのだが・・・

 

という訳で、今回から、撮影日順に2回に分けて、
夜間、光に誘引されてきたカミキリ類を紹介したい。

 

 

 

ヒゲナガカミキリ(カミキリムシ科)

2013年8月31日 矢立峠・秋田

この子は雌なので、ヒゲが長くない。

ただ、雄の場合には、その名前のとおり、
触角の長さは、体長の2.5~2.8倍になるようだ。

残念ながら、写真はないのだが・・・・

 

 


ホソカミキリ(カミキリムシ科)

2013年9月11日 酸ヶ湯温泉・青森

この子は名前のとおり、体が細く、スマートである。

写真では、体色はかなり黒っぽく見えるが、
実際にはやや赤味を帯びていたと思う。

 

 


カラカネハナカミキリ(カミキリムシ科)

2014年6月5日 矢立峠・秋田

名前の由来である青銅色のカミキリで、
昼間、花に集まってるのを良く見かける。

肩の部分が発達して金属光沢を持つので、
少し大きめのハムシのように見える?

完全に昼行性だと思うので、むしろ、
光に集まるのが、ちょっとだけ不思議だ。

 

 


ニセヨコモンヒメハナカミキリ(カミキリムシ科)

2014年6月5日 矢立峠・秋田

怪しげな雰囲気を持つカミキリだが、
この子の同定は、私には無理だ。

これは友人、にゃおと氏の写真同定によるものである。


一見珍品風であるが、普通種のようで、名前のとおり花に飛来する。

 

 

 

ハンノアオカミキリ(カミキリムシ科)

2014年6月5日 矢立峠・秋田

金属光沢(緑青色?)の前胸と翅に、黒い紋を持つ美麗種。

多分、カミキリの中では、美麗種の人気ベスト10に入るだろう。

学生時代、奥秩父の切り出した木材の集積場で、
キラキラ輝いて飛んでいたのを、見事にネットインした思い出がある。

 

 


(つづく)

     

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