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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ちょっとだけ不思議なムカシヤンマ

虫と出会えない今の時期、ふと思い出したのが、
ムカシヤンマとの出会いである。

昨年の夏至の日、毎週訪れる白岩森林公園近くの林道で、
不思議な雰囲気を持つトンボの写真を撮った。

朝早いとは言え、気温はかなり上がっているはずなのに、
ヨロヨロと飛んでは、またもとの場所に戻ってくる。

最初は、栄養失調のオニヤンマかと思ったが・・・

 


ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)
 
2011年6月22日 白岩森林公園・青森

こんな感じでガードレールに止まっていた。
翅を広げて、体全体をガードレールにピタっと、
くっつけるようにしている。

このときは、あまり気にせずに、
2~3回シャッターを切っただけであった。

 


ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)
 
2011年6月22日 白岩森林公園・青森

良く見ると、翅の付け根(胸部)の前方に、
褐色の扉のようなものが付いているし、
顔の全面は、真っ白である。

明らかにオニヤンマやサナエトンボではない。

 


というわけで、家に帰って調べるまで、この不思議なトンボが、
日本にしか生息していない珍しいムカシヤンマであるということが、
全く分からなかったのである。

有名なムカシトンボと紛らわしいが、ムカシヤンマという種もいるのだ。

 

 

それから、1週間後、
今度は、ムカシヤンマを撮りまくるぞ・・・・・???

 


ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

前回写真を撮った場所近くには、
かなり探したが見つからなかった。

そしてさらに、沢に沿って上流まで登り、
諦めかけた昼近くになって、
元の場所のすぐ近くでようやく発見。

しかもこの個体のみ!!!

遠目でみると、こんな感じである。

 


ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

そっと近づいていくと、俊敏に(?)逃げるが、
1週間前と同じように、すぐ戻ってくる!!


ネット情報によると、日本固有種であるムカシヤンマの生息分布は、
ムカシトンボより狭く、水のきれいな山中にのみ棲息するらしい。

 


ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

幼虫の生態と生息環境が普通のトンボと違っており、
谷の垂直に近い崖などに、水がしたたり落ちて、
コケ類が一面に茂っているような環境に住むという。

普通のトンボの幼虫(ヤゴ)のように、
水中で生活するわけではないのである。

でも一体、どうやって餌をとるのだろうか?

 

というわけで、今思うと、
この写真が昨年のベストだったのかもしれない。

(一人で、小さくガッツポーズ!)

 

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ちょっとだけ不思議な虫たち【7】

今回、紹介する3種の虫たちは、
姿かたちが「ちょっとだけユニーク」である。

いずれも、一種独特の雰囲気を持っているので、
隠れファンが多い虫でもある。

でも、例外なく、隠れファン自身(人)も、
一種独特な雰囲気を持っているとも言える・・・・

 


ウスモンオトシブミ(オトシブミ科)
 
2011年7月5日 だんぶり池・青森

何と表現したら良いのか、(写真があるのに、言葉で説明すると?)
明るい黄褐色の体に、暗い黄褐色の濃淡が微妙な模様となって、
頭はこげ茶色、脚は黄色のオトシブミである。

美麗種ではないが、しっとりと落ち着いた雰囲気を持っているので、
和風の美しさを感じる種である。

オトシブミの名前は、昔(江戸時代)に、
おそらく恋仲の男女が、他人にばれないように手紙を道端に落とし、
他人に渡したという「落とし文」から来ているらしい。
(この辺も、和風ではあるが・・・)

オトシブミ類のの産卵方法と幼虫の育ち方に関しては、改めて説明するまでもない。
不思議ではあるが、かなり合理的で無駄のない仕組みになっていると思う。、

 

 

ウンモンテントウ(テントウムシ科)
 
2011年11月1日 玉川ダム・秋田

何か不思議な雰囲気を持ったテントウムシだな、と思った。

良く見てみると、普通は赤い地肌に黒い紋があるだけなのに、
黒い紋の回りが、白く縁取られているからだった。

たったそれだけのことで、他のテントウムシとは雰囲気が全く変わって、
デザイン的に美しく感じるのだろう。

夏の山地で見られるが、食性はよくわかっていない不思議なテントウムシである。

 

 

クシヒゲシマメイガ(メイガ科)
 
2008年7月19日 東海村・茨城

残念ながら、後ろから撮った写真しかない【注】が、かなり異様である。

撮影位置を変えようとした瞬間に、逃げられてしまった。
まあ、良くあることではあるが・・・

それにしても、かろうじて写っている前肢が、異様な形をしている。

名前のクシヒゲは、雄の触角の形状から付いたものらしい。
普通の夜行性の蛾のオスの触角は、見事なクシ状になっているものが多いのに、
どうして、そんな触角の特徴で、名前を付けたのだろうか?

それより、数百倍もインパクトのある前肢の形状を名前にすれば良かったのに?

どちらかというと「カマアシシマメイガ」の方が、良いような気がしないでもない。

 

【注】同じ仲間で、横から撮った写真がある。
以前紹介したオオクシヒゲシマメイガという蛾である。

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101030/1/

 

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ちょっとだけ不思議な虫たち【6】

このシリーズ6回目であるが、
まだ「不思議」の定義が曖昧のままである。

 

ただ、「不思議というのは、個人的な感情であり、
全ての人が不思議だと思う現象はない
」 と思う。
 

だから、世界の七不思議と言っても、
サイババが手から金時計をどんどん出しても、
なまけもののナマケモノがいても、
それがどんなに不思議なことであっても、
一部の人にとっては、不思議でも何でもないのである。
 

しかも、このブログのタイトルには、「ちょっとだけ」を付けているし・・・


何か、しなくてもいい「言い訳」を、必死にしてる。

どこか遠い国の政治家の国会答弁みたい・・・

 


オオホシオナガバチ(ヒメバチ科)
 
2011年8月23日 酸ケ湯温泉・青森

まず、典型的な黄色と黒色の警戒色が目につく!!
そして、異常に長い産卵管も!!

オオホシオナガバチという見たとおりの名前が付いている。

それで生態は? 

ネットでさりげなく調べてみると、
枯れ木の材の中に潜んでいるキバチ類の幼虫を、
材の外側から、何らかの手段で探り当て、堅い樹皮の上から、
長い産卵管を深く差し込んで、幼虫に直接産卵するらしい。

でも、何で警戒色なの?
特に危険な虫でもなさそうであるのに。

これでは、逆に目立って、
簡単に捕食者の餌食となってしまいそうだが・・・

 


ミミズク(ミミズク科)
 
2011年7月24日 だんぶり池・青森

ミミズクという名を聞いて、虫のミミズクを思い浮かべる人は、
一体、どのくらいいるだろうか?

実は、この写真の奇妙な虫も、「ミミズク」というのだ。

当然、フクロウの仲間のミミズクに似ているから付いた名前だと思うが、
一体どこが似ているのか、今までさっぱりわからなかった。

これを機会に、さりげなくネットで調べてみると、
胸にある2枚(?)の平たい突起を正面から見ると、
鳥のミミズクの羽角に見えるからとい説が有力のようである。


しかし、何でススキの葉っぱにいるのか?
これだけの色や形であれば、保護色・隠蔽的擬態の典型であるのに・・・

もっと場所を選べよ! 君は!
 

それにしても、奇妙な形状の虫である。

 


キンヨウグモ(アシナガグモ科)
 
2011年9月29日(木曜日) 白岩森林公園・青森

写真のように、脚は微妙に折りたたむほど長く、
腹部背面に黄色の良く目立つ斑紋が縦に並ぶ美しいクモである。

この葉黄色の斑紋は、蛍光塗料を塗っているように光ってみえる。
それで、金葉(キンヨウ)グモというのだろうか?

個人的には、和名を付けた人がこのクモを発見したのが、
たまたま金曜日だったという裏話があれば、
微妙に面白いと思うのだが・・・


ちなみに、ドヨウグモという種類もいるようだが、
こちらは、土用の日に良く見かけることから付いた名前らしい。

 

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ちょっとだけアート

色んな虫の姿を、色んな状況で、まあ普通に撮ってるが、
後でパソコンで見ると、たまに「・・ん!?」と思う写真が見つかる。

そこで今回は、自画自賛の「ちょっとだけアート写真」???

 


朝露に光るノシメトンボ(多分)
 
2011年9月26日 はねがわ森林公園・秋田

早朝にトンボの写真を撮ると、このように、
水滴が付いた翅が、微妙に朝日に輝くことがある。

この日は気温が低く、朝もやの中で撮影中・・・

すっかり葉っぱを落とした木の枝に、
3匹のアカトンボがうっすらと見えた。

多分、とても飛び立てるような状態ではなかったと思う。

 


車のライトを反射するオニグモの巣網
 
2011年9月25日 道の駅ことおか・秋田

道の駅の街灯の近くに、オニグモが巣網を張っていた。
ときどき通りかかる車のライトに、巣網が美しく反射する。

早朝に見られる水滴が付着した巣網もなかなか良いが、
車のライトに照らし出されるのも、さりげなく良い。

 

 

自分を見るオオトビサシガメ(サシガメ科)
2011年10月31日 玉川ダム・秋田

鏡のようなダム湖の手すり円柱にいたオオトビサシガメ。

まるで、2匹がお見合いしてるように見える。

実はこれ、高いダムの上から身を乗り出すようにして、
かろうじて撮ったものだが、非常に残念だが、
その緊迫感は、全く全然伝わってこない。

 


ミズクラゲ(ミズクラゲ科)
 
2011年10月29日 大洗水族館・茨城

ちょっとだけ、反則気味の登場である。

上の3枚の写真とは比べ物にならないくらいアートである?

まあ言って見れば、スポーツ界の美人選手の中に、
本物の女優が入りこむようなものであるが・・・

 

 


(そして番外編?)


カラマツの枝に氷が・・・
 
2010年3月25日 軽井沢・群馬

虫のブログに、さりげなく登場する植物の写真・・・

完全に道を間違えた軽井沢の林道で、急激に気温が下がった。

そして、一気に降った雪が、すぐに止んだ。

蔵王などで良く見られる樹氷とは全く違った雰囲気のカラマツ林(?)。
この景色を見たときは、ちょっとだけ感動した。


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ちょっとだけ不思議なリンゴドクガ

あの夢のような10月9日のカメムシデー。
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111010/1/

大満足の帰り道、ふと足元を見ると、
寒々とした茶色の落ち葉の上を、
まるで場違いの金色の綺麗な毛虫がノロノロと、
しかし、ちょっとだけ優雅(?)に歩いていた。

 

リンゴドクガ幼虫(ドクガ科)
 
2011年10月9日 蔦温泉・青森

この色と形だと、緑色の葉っぱにいても、
このように枯れ葉の上にいても、多分良く目立つだろう。

何故か「私を良く見てよ!!」という雰囲気が、
ギンギンに伝わってくる虫である。

 


リンゴドクガ幼虫(ドクガ科)

2011年10月9日 蔦温泉・青森

軽く木の枝で刺激を与えてみると、
きれいな黄色の毛を逆立て、真っ黒な模様が現れた。

赤い尻尾のような部分を軽くゆらして、
明らかに、「何なのよ!!」という感じである。

イメージとして、空腹の沢○エ○カ様のような感じか?
⇒(失礼しました。あくまでもTV-CMのイメージです?!)

 

 

リンゴドクガ幼虫(ドクガ科)
 
2011年10月9日 蔦温泉・青森

まだ、ちょっと怒っているこの子の名前は、
タイトルのように、リンゴドクガという蛾の幼虫である。

しかし、この名前では、まるでリンゴの害虫のようである。

実は、この子が食べるのは、リンゴの葉っぱだけではない。
しかも、普通に入手できるリンゴの害虫図鑑には、載っていない。

実際には、この子はヤナギやカエデ、コナラを食べているらしい。
もちろん蔦温泉の遊歩道には、リンゴの木などはない。

こんな虫が、リンゴの木に沢山いたら、
むしろそれだけでペットになるような感じで、
殺虫剤散布をためらう農家の人も、
日本中を探せば一人くらい、いそうな気がする?

 


リンゴドクガ幼虫(ドクガ科)
 
2011年10月11日 西目屋村・青森

それから2日後、今度は西目屋村の遊歩道で、
ちょっと白っぽいが、葉っぱの上で見つけた。

⇒(お腹がすいていないので、怒ってないのか?)

今度も、近くにはリンゴの木はない場所である。

 


リンゴドクガ幼虫(ドクガ科)
 
2011年10月11日 西目屋村・青森

軽くネットで調べてみると、
どうやらリンゴドクガの幼虫は、黄色とは限らないようだ。

この写真のように、白っぽいのから、
場合によっては、ピンク色のものもいるらしい。

 

という訳で、ちょっとだけ不思議な虫でした。

 

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