ついに撮れた!!! ルリタテハ幼虫
今年は、ムラサキシャチホコに続いて、
ずっと撮りたいと思っていたルリタテハ幼虫にも、
さりげなく出会うことができた。
場所は、休日の家族連れでにぎわう「ひたちなか海浜公園」である。
しかも、最も衝撃的な終齢幼虫・・・・
遠くからでも、すぐ分かる「姿かたち」である。
不気味なオレンジ色の線が交差する胴体に、
触るな!オーラ満開の真っ白な棘が恐ろしい。
・・・・・・誰も、触らないよ!!!
それにしても、何なんだ!!
この人を寄せ付けない毒々しい姿は!!!
遠目には良く分からなかったが、拡大してみると、
赤、黄白、黒の3色が、幾何学的(?)に配置されていて、
黄色の線は、体節の境目にある。
しかも、白い棘の先端部は、不気味に黒くなっていて、
触ると毒液が出てきそうな雰囲気である。
実は、この棘には毒針毛はなく、触ってみると、
多少弾力があるゴムのような感じで、全く問題ない。
また、サルトリイバラやホトトギス類などが幼虫の食草で、
これらは、特に有毒植物と言われる種類ではない。
だから、体液に不味(有毒)成分は持っていない。
ということは、何かに擬態して、捕食者を騙している??
タテハチョウの仲間には、幼虫時代に棘があるものが多くいるが、
いずれも棘に毒はないので、おそらく、
毒針毛を持つイラガ類の幼虫に擬態しているのだろう。
虫たちの親子⑧ サカハチチョウとキアゲハ
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130617/1/
過去の親子シリーズのようになってしまうが、
最後にルリタテハ成虫の写真を・・・
ルリタテハ成虫(タテハチョウ科)
2010年8月10日 東海村・茨城
ルリタテハの翅の裏面は、捕食者である鳥に対して、
このように、樹皮や落ち葉に似た保護色として機能する。
しかし、表面には、強烈に目立つ金属光沢の輪がある。
ルリタテハ成虫(タテハチョウ科)
2010年8月22日 ひたちなか市・茨城
このように翅を開いた状態のルリタテハを見つけた捕食者が、
捕獲しようと近づいて来たとき、突然、翅を閉じたらどうだろうか?
(⇒突然見せる目玉模様とは、全く逆の状況である)
おそらく、それまで見せていた派手な色の表面が、
突然なくなって、すぐ上の写真のように裏面の隠蔽的な効果が、
そのコントラストの大きさによって、より強調されるだろう。
近づいてきた捕食者は、マジックでも見てると感じだろうか?
また、ルリタテハは、力強く羽ばたいて、かなり機敏に飛ぶ。
そうすると、鳥のような飛びながら獲物を捕獲する捕食者には、
翅の表と裏が交互に見えることになる。
ある瞬間には翅の表面だけ、ある瞬間には翅の裏面だけが見える。
だから、良く目立つキラキラ表面が、
途切れ途切れに移動しているように見えるので、
捕食者は、正確に後を追うことができなくなる可能性もあるのだ。
成虫も、幼虫も、ちょっとだけ不思議なルリタテハでした。