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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

コアリガタハネカクシ交尾


弘前周辺の林道をカメラ片手に歩いていると、
緑色の葉っぱの上を、ウロウロと歩き回っている黒い虫が目に付く。

①歩き方と②体色と③サイズと④翅のないところが、アリに似ているので、
コアリガタハネカクシという、そのまんまの名前が付いている【注】


ただ、昔からアリに擬態してるようには見えなかったので、
どこが「アリガタなの?」という感じがしていた。

 


コアリガタハネカクシ(ハネカクシ科)

2011年6月6日 だんぶり池・青森

普段見かけるときには、こんな細長い虫なので、
遠くから見ても、アリのようには見えなかったのだ。

 

 

 

・・・・ところが!!!

 

 


ん!? アリが交尾???

2012年7月4日 白岩森林公園・青森

この写真で見れば、まさにアリなのだ。

最初は、アリが仲間の背中を舐めているのかと思った。


もしかしたら、アリの交尾かも・・・

 

 


コアリガタハネカクシ(ハネカクシ科)

2012年7月4日 白岩森林公園・青森

近づいてよく見ると・・・

やっぱりアリではない!!


アリは、こんな格好では交尾しないはず??

どうやら、コアリガタハネカクシのようだ。

 

 


コアリガタハネカクシ(ハネカクシ科)

2012年7月4日 白岩森林公園・青森

上の写真で、交尾が成立しているように見えたが、
何故か、さりげなく、向きを変えようとしている。

 

 


コアリガタハネカクシ(ハネカクシ科

2012年7月4日 白岩森林公園・青森

最終的に、この格好に落ち着いてしまうのか??

ちょっとだけ不思議な虫だ。

 

 


コアリガタハネカクシ食事中

2011年6月7日 志賀坊森林公園・青森

ちなみに、こんな格好をしているが、
小昆虫などを捕獲して食べる肉食性なのだ。

ただ、今回の獲物は、翅があって、
しかも、大きすぎる感じがするので、
どのような経過で、この写真のようになったのかは、
全く分からないのだが・・・・

 

 

【注】アリガタハネカクシ属 Megalopaederus は、
   日本に4種類知られているが、互いによく似ているため、
   交尾器を見ないと、同定は比較的難しいとされている。

   ①アリガタハネカクシ Megalopaederus poweri  ⇒紀伊半島
   ②コアリガタハネカクシ M. lewisii ⇒本州中部~北部
   ③ワダアリガタハネカクシ M. wadai  ⇒西日本~九州
   ④クロサワアリガタハネカクシ M. kurosawai  ⇒東海地方北部~東部

   しかし、4種はそれぞれ分布域が異なっているので、
   発見場所によって、ある程度の判別は可能だ。

   ⇒⇒⇒これが、良いのだ!!!


   だから、弘前周辺で見かけるのは、 すべて②のコアリガタハネカクシだ。



     

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これは自然淘汰の結果なの?? アヤトガリバ


背中に、立体的に見えるヘビの模様のある不思議な虫がいる。

以前このブログでも紹介したウスベニアヤトガリバという、
ちょっとだけ素敵で、やや官能的(?)な名前を持った蛾だ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130824/1/


虫にあまり興味のない普通(?⇒!!)の人は、
ウスベニアヤトガリバという名前を聞いただけでは、
おそらく、何組なのかも分からないだろう。


せっかくなので、もう一度、ウスベニアヤトガリバをご覧ください。

 

ウスベニアヤトガリバ(カギバガ科)

2013年7月27日 城ヶ倉・青森

背中が観音開きの窓のように開いていて、
中に、彫刻のようなヘビ(コブラ?)が見える。

よく見ると、中に見える立体的なヘビは、
下の方が、蛾の胴体とピッタリ繋がっている。

かなり不思議な雰囲気を持つ蛾なのだだ。

 


ネット情報によると、アヤトガリバの仲間(Habrosyne属)は、
日本に、6種類が生息するようだ。

 ①ウスベニアヤトガリバ Habrosyne dieckmanni roseola Matsumura,1909
 ②オオアヤトガリバ Habrosyne fraterna japonica Werny,1966
 ③アヤトガリバ Habrosyne ryritoides derasoides (Butler,1878)
 ④タイワンアヤトガリバ Habrosyne indica flavescens Werny,1966
 ⑤カラフトアヤトガリバ Habrosyne intermedia (Bremer,1864)
 ⑥ヒメウスベニトガリバ Habrosyne aurorina auronia (Butler,1881)


いずれも、特異な姿かたち(基本形は同じ?)であり、
鱗粉の濃淡で、立体的に描かれたヘビ(コブラ?)のような模様がある。

だから、少なくとも、日本で見られる6種の共通祖先で、
背中に「立体的なヘビ模様を持つ基本的な姿かたち」が完成(?)していた。

その後、何らかの生殖隔離が起こって、6種に分かれたのだろうが、
基本形態はそのままで、色彩・模様が個々の種で多少変化したようだ。

 ⇒この文章の書き方は、オオトリノフンダマシ、
  キイロシリブトジョウカイに続いて、3回目・・・

 

 

そして、つい最近、以前紹介した友人とのナイターで、
2種目の、③のアヤトガリバに出会えたのだ。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140828/1/

 

 


アヤトガリバ(カギバガ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

多少の色の違いがあるが、全体的な雰囲気は、
最初のウスベニアヤトガリバと同じである。

ただ、この子の方が、ヘビの目(?)が悲しそうで、
ウスベニよりもインパクトは、やや少ない印象がある?


いずれにしても、切り裂かれた(破られた?)穴の奥に、
ヘビがいるだけで、それはもう神秘的な世界だ!!!

 

 

 

アヤトガリバ(カギバガ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

少し斜めから撮ると、かなり不思議なことに、
ヘビも、こちらを向いているように見えるのだ。

こんなことってあるのか?


・・・・あるのだ!!!!

 

 


アヤトガリバ(カギバガ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

一体何故、こんな模様になったのだろうか?

捕食者との関係から考えるのが普通だろうが、
はたして、この模様を、本能的に嫌う外敵がいるのか?

以前、色々な機能のある目玉模様の紹介をしたときに、
知能を持つ学習できる動物(特に人間!)は、
「意味のないものに意味を見出す」ことを知った。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110311/1/

 

たとえば、携帯電話で良くやる(o^ー^o)のようなもの????

 ⇒全く無関係の記号を、ある規則で並べるだけで、
  様々な表情の人の顔に見せることができるのだ。

 

 

 


しかし、ここで、ちょっとでけ残念な写真が・・・・・

 

 

ウスベニアヤトガリバ(カギバガ科)

2013年8月31日 矢立峠・秋田

これは、最初の写真のウスベニアヤトガリバだが、
明るい場所で、こんな風に、草に止まっていたら、
背中のヘビが、全く見えない。


これでは、いとも簡単に鳥に食べられてしまうだろう。

 ⇒せっかく、ここまでテンション高く紹介してきたのに!!!


でも、これが、ちょっとだけ不思議な昆虫の世界・・・・


 

追記(2015年9月13日)

チョウや蛾の翅にある動物の不思議な模様について、
最近日本でも紹介された「サティロス型擬態」という概念で、
統一的に解釈できるようになった。

以下の記事をご覧ください。

【古くて新しい擬態 サティロス型擬態】
 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150913/1/
 

     

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オオトリノフンダマシ 君は糞に擬態してるの? 


トリノフンダマシの仲間は、もともと熱帯系のクモの仲間であり、
日本では、Cyrtarachne属が4種が生息する。

 ①トリノフンダマシ Cyrtarachne bufo
 ②オオトリノフンダマシ Cyrtarachne inaequialis
 ③シロオビトリノフンダマシ Cyrtarachne nagasakiensis
 ④アカイロトリノフンダマシ Cyrtarachne yunoharuensis

いずれも、特異な姿かたち(基本形は同じ?)であり、
その名が示すように、鳥の糞に擬態しているとされているが、
どうも、そうとは言えない気がするのだ。

このことについては、文末に個人的な考えを書いてみた。

 

最も普通に見られるのは、以前紹介した①のトリノフンダマシである。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120821/1/

 


トリノフンダマシ(コガネグモ科)

2012年8月6日 金山町・秋田

腹部は白と褐色のまだら模様で、まさに鳥の糞の色合いだ。

左右に目玉のような膨れがあるが、あまり目立つ存在ではない。


頭胸部と脚は薄い褐色なので、足を折り曲げて、
頭胸部に添えると、より鳥の糞に見えやすくなる。

 

 

ところが・・・

今回初めて、②のオオトリノフンダマシに出会ったのだが、
これ、本当に鳥の糞に擬態しているのか????

 

 

オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)

2014年8月9日 だんぶり池・青森

確かに、形態はトリノフンダマシに良く似ている。

トリノフンダマシは白っぽいのに対し、
本種は、全体的に黄色っぽい感じであるが・・・


腹部左右には、トリノフンダマシと同じように、
大きな目玉のような模様がある。

 

でも、何かおかしいぞ!??

目玉模様が強調されすぎて、鳥の糞には見えない?

 

 

 

オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)

2014年8月9日 だんぶり池・青森

これは、鳥の糞というより、目玉のオバケ(?)だ。

目玉模様の周りに、暗褐色の輪があるだけで、
目玉模様が強調されて、鳥の糞に見えなくなっているのだ。

 
これは、どう見ても・・・・

・・・・・カマキリの顔???

 

 


オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)

2014年8月9日 だんぶり池・青森

普通に遠目に見ても、おそらく、意に反して(??)、
鳥の糞ではなく、目玉の大きな顔である。


オオトリノフンダマシは、名前とは裏腹に、
大きな目玉模様によって、外敵の攻撃を躊躇させる効果の方が、
むしろ大きいのかもしれないのだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130223/1/

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110311/1/

 

 

 

オオトリノフンダマシ(コガネグモ科)

2014年8月9日 だんぶり池・青森

系統分類学の知識は、ほとんどないのだが、
トリノフンダマシの仲間の進化を考えると、ちょっとだけ不思議だ。

少なくとも日本産4種の共通祖先で、
いわゆるトリノフンダマシの形態が完成(?)していた。

その後、何らかの生殖隔離が起こって、4種類に分岐したのだろうが、
基本形態はそのままで、色彩・模様が個々の種で大きく変化したのだ。


日本産のもう1種、③のシロオビトリノフンダマシというクモは、
横長の腹部の真ん中を横切るように白い帯があり、
その前後は黒く、腹部後端近くは淡い褐色になっているので、
ネット上の写真では、鳥の糞に似ているようだ。

最後の④のアカイロトリノフンダマシは、真っ赤な体に、
黄色の水玉模様があり、鳥の糞には見えないようだ。

むしろ正統派の警戒色である。

体液が不味いとか、有毒であるとかの情報はないので、
テントウムシにベイツ型擬態してるのかもしれない。

一度は、出会ってみたいクモである。


それぞれの種の特徴をまとめると、以下のようになる。

 ⇒鳥の糞に擬態: トリノフンダマシ、シロオビトリノフンダマシ
 ⇒目玉模様強調: オオトリノフンダマシ
 ⇒ベイツ型擬態: アカイロトリノフンダマシ


もちろん、何故、別々の道を歩んだのかは、謎である。

しかし、ある程度の想像はできる!!

 

という訳で、


・・・仮説(妄想?)・・・

目玉模様が強調されたのオオトリノフンダマシの写真は、
水辺にあるススキなどのイネ科植物の葉っぱで撮った。

一方の、鳥の糞に擬態したトリノフンダマシの写真は、
林縁部の広葉の葉っぱで撮ったものである。

当然、肉食性の彼らが、植物の種類に大きく依存することはないが、
もし、このような傾向があるとすれば、話は簡単である。

林縁部で良く見かける、地面にほぼ平行に広がっている葉っぱには、
上から落下する鳥の糞が、かなりの頻度で付着している。

こんな場所では、鳥の糞に擬態している方が生き残る可能性が高い。

だから、トリノフンダマシのような、より精巧な糞擬態が完成していったのだろう。

一方の地面に垂直に伸びているイネ科植物の葉っぱには、
どう考えても、鳥の糞は付着しにくいのだ。

だから、せっかく鳥の糞の形状に進化したオオトリノフンダマシであるが、
静止場所がイネ科植物の葉っぱであることが多いため、
鳥の糞に見える模様があまり機能せず、むしろ、
目玉模様を強調するようになった個体(グループ?)が、
生き残る可能性が高くなったのだろう。

・・・仮説(妄想?)・・・おわり

 

この仮説を検証するのは、簡単だ。
実験は、しなくても大丈夫だ。

それぞれのクモたちが、実際に静止している場所(状況)を、
出来るだけ沢山、観察すれば良い。

後は、統計処理をして、有意差があるかどうかを確認すれば・・・

 


それにしても、恐るべし、トリノフンダマシの適応力、
というか、変わり身の速さ?

 

 

     

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霧ヶ峰の不思議な虫たち


長野県のほぼ中央部に位置する霧ケ峰高原は、
四国に住んでいたときにも、しばしば訪れた場所である。

特に八島ヶ原湿原は、どこか懐かしい雰囲気が残る、
花と虫が豊富なところで、私の「お気に入りベスト10」に入る。

⇒昔は、七島八島と言っていたような気がするが、
 友人のカーナビに、目的地を入れようとしても、
 認識しないので、正式には「八島ヶ原湿原」と言うようだ。

 


八島ヶ原湿原

2014年8月20日 霧ケ峰・長野

こんな雰囲気の場所に、沢山の虫たちと、
それを食べる捕食者が存在している。

遊歩道の入口に設置されている看板によると、
この時期(6~9月)には、75種類の花が見られるようだ。

おそらく、虫たちはその10倍はいるのだろう。

 


例によって、擬態する虫たちを探した・・・・

かなり見通しのきく場所ということもあって(?)、
隠れるよりも、目立たせるタイプの擬態者が多いようだ。

 

 


サッポロヒゲナガアブ(ハナアブ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

ネット情報では、北海道特産種ではないようなので、
何故、この子の名前が、サッポロと付くのかは不明だが、
特徴的な翅の紋と、正面の顔から同定は間違いないと思う。

クロスズメバチに擬態しているのだが、
ワレモコウの蜜を舐めているようなので、
スズメバチではなく、やっぱりハナアブなんだろう(?)。

 

 

 

多分ヤドリバエの仲間(ヤドリバエ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

数匹見かけただけだが、ヒヨドリバナ(多分?)の花にいた。

ヤドリバエの仲間は、特異な生活史の方が有名で、
ハチに擬態している意味が・・・・


アブは、基本的にハチに似てるということで、
特に大きなインパクトはない???

 

 

 

アサギマダラ(マダラチョウ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

吸蜜しているヒヨドリバナ(多分?)は、
この湿原には、いたるところにある花なのだが、
ちょっとだけ不思議なことに、アサギマダラがいるのは、
ある一角の花に集中している。

一目で10数匹が、乱舞(?)している。

偶然聞いてしまった「ガイドの人たちの会話」の中でも、
この一角を「アサギマダラのところ」と呼んでいるようだ。

長距離移動することで良く知られているチョウなのだが、
このあたりでは、夏の間はずっと見かけるようだ。

もしかしたら、この集団は、さらにこれ以上北方へ移動せずに、
ひと夏をここで過ごしてから、秋になって南へ旅立つのかもしれない。


このブログで、何度も取り上げているように、
マダラチョウの仲間は、体内に幼虫時代の食草である、
ガガイモ科の植物起源のアルカロイド(有毒成分)を持っている。

鮮やかな目立つ色彩により、捕食者にそれを知らせるので、
一度経験した鳥などは、彼らを襲うことはない。

あまり移動しない方が、野鳥類に学習させる上で、
多少なりとも、効率が良くなるのかもしれない。

 

 

 

ヒョウモンエダシャク(シャクガ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

アサギマダラと全く同じように、幼虫時代の食草である、
レンゲツツジやアセビ等の有毒成分を体内に取り込み、
成虫になっても、それを保持しているとされる。

ただ、この写真のように、確かに警戒色っぽい色ではあるが、
そんなに目立つとは思えないので、鳥などの捕食者が、
学習して、2度と襲わないかどうかは微妙である。


というか、エダシャクの仲間は、みんな良く似た模様である、
それぞれの幼虫が、有毒植物を食べているとは限らない。

この辺が、確かに「ちょっとだけ不思議」である。

 

 


ツクバトリカブト(キンポウゲ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

誰でも知ってる猛毒の植物だ。

虫も知ってるのか、葉っぱを見ても、食痕がない。


気になって、ネット検索・・・・

キンワバ類の幼虫が食べるらしいが、
成虫はいずれも、複雑な模様ではあり、
いわゆる警戒色をしていない。

幼虫の写真は、ネット検索では見つからなかったが、
ウワバ類なので、そんなに目立つ体色ではないだろう(多分?)。


⇒まさか、捕食者が食べてしまうと、
 すぐに死んでしまうので、学習することができない(?)。

 

      

 

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枯れ葉擬態 オビガ


枯れ葉に隠蔽的擬態する蛾は、多くのグループ(科?)で、
独自に進化してきたようだ。

今回のオビガもは、常夜灯に来ているのを良く見かける。

オビガは、オビガ科に属する蛾だが、
日本にはオビガ1種しかいないようである。

 

 

オビガ(オビガ科)

2012年9月13日 矢立峠・秋田

こんな感じで、明るいトイレのガラス面に止まっているが、
そんなにリアルな枯れ葉の印象はない。

 


それでも、この子が枯れ葉が沢山ある場所に、静止していたら、
私ごときには、絶対に見つけることはできないだろう。


しかし、緑色の葉っぱの上では、簡単に見つかるのだ。
・・・・と言うか、偶然見つけると、ちょっとだけ感動!!

 

 

 

オビガ(オビガ科)

2014年7月21日 ひたちなか市・茨城

写真の中央、赤丸の部分に落ち葉が見える?

緑の葉っぱの上には、見た目がこんなイメージで、
風に乗って飛ばされてきた枯れ葉が、落ちていることが良くある。


でも、これ、よく見るとオビガなのだ。

 

 

 

オビガ(オビガ科)

2014年7月21日 ひたちなか市・茨城

近づくと、こんな感じ・・・


枯れ葉に擬態する蛾は、翅を閉じて止まることが多い。

明らかな蛾の形状である左右対称の蛾の姿を見破られないためだ。


しかし、オビガは違う。

前翅と後翅の微妙な重なり(開きの角度?)と、
後翅後縁の膨らみが、葉っぱの形状そのものなのだ。


 

 

オビガ(オビガ科)

2014年7月21日 ひたちなか市・茨城

下から見上げて撮ると、何か必死で止まってる感じだ。

普通の蛾は、こんなところに静止することはないだろう。


偶然に風に飛ばされてきた枯葉が、引っかかっているようだ。

 

 

 

オビガ(オビガ科)

2014年7月21日 ひたちなか市・茨城

蛾の仲間は、オビガのように、普段隠れている後翅の表面を、
前翅を少し広げて静止することが、たまにある。

ただ、オビガの場合は、全体を葉っぱに見せるようなイメージで、
後翅の表面を常に見せて止まっている。


明らかに、どの辺まで開けば(後翅を見せれば)、
自分が、葉っぱに見えるか分かっているようである。

でも、中央の白いラインが、一直線にならない!!!


・・・・・・恐るべし、オビガの微妙な戦略!

 

 

という訳で、今回までに、
緑の葉っぱの上に静止している枯れ葉のように見える蛾を、
4回連続で紹介してきた。

ただ、このブログでは、過去にミラクル擬態として、
もっと沢山の「枯れ葉に似た蛾」の写真を紹介してきた。

 

興味ある方は、是非、下記をご覧ください。

 

ウスイロカギバ ⇒雌雄が少しずれて交尾している
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120710/1/


マエキカギバ ⇒体の色がまさに枯れ葉
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120712/1/


マエグロツヅリガ ⇒そんなに似せなくともというレベルのミラクル擬態
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120729/1/


イカリモンガ ⇒普段は枯れ葉に似てるとは夢にも思わない
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121210/1/


シロテンツマキリアツバ ⇒まあ普通の枯れ葉擬態
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130114/1/


ムラサキシャチホコ ⇒ご存知のミラクル擬態(もう一度ご覧ください)
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130821/1/


ハガタエグリシャチホコ ⇒新しいタイプの枯れ葉?
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131008/1/


枯れ葉? ミラクル擬態 ⇒クイズ形式の総集編(もう一度ご覧ください)
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131208/1/





    

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